子供の感性をつぶす!夏休み美術の宿題で小学生の親がやってはいけないこと3選
夏休みの図工・美術の宿題で、親がやってはいけないことがあります
皆さんこんにちは。元美術教員、現在独立してアートイベント、ワークショップなどをしております。日置菜津美です
今日は夏休み美術・図工の宿題について、親がやりがちなNGを投稿します。
今回は「こんな作品だと美術や図工で賞がとれない」や、「この描き方だと見栄え、先生受けがわるい」のような、外部目線のNGではありません。
長い目で見て、子供の可能性や感性をつぶすおそれがあるNG行為を描いています。
今回は特に、小学校低学年の子供にとってのNG行為を3つ書きたいと思います。
1,先生からの評価や賞や見栄えは二の次。子供が描きたいものを描けばよい
中学生だと進路にも多少“賞”というものが影響してくると思いますが、小学生で賞や先生の評価、見栄えを気にする必要は一切ありません。
「こうやって描けば見栄えがする、賞が取れる!」を子供に押し付けるのはよくありません。
むしろ気にすることで子供が自由に描きたい気持ちをつぶしてしますこともあります。
そもそも絵の評価というのは、見る人の視点や考え方によってだいぶ変わりますし、その時代や流行によっても評価は全然変わっていきます。
2,絵の具も紙もケチらない。紙は10枚用意!
美術に限ったことではないのですが、「トライ&エラー」が必須です。小さなころに失敗をたくさんさせてあげることはとても重要です。
そもそも授業で、週に2時間、片付けも入れると実質1時間ほどしか図工や美術はできません。たった1枚の紙で、絵の具でいきなり完成させることは無理があります。
特に水彩絵の具は、年間でもほんの少ししか使いませんし、絵の具の楽しさを十分味わえるまで、子供は学校で学んできてないのです。
たった1枚の紙で「これしかないから!慎重に!丁寧に描きなさい」なんて言われた子供はもうそれだけでやる気がなくなります。
中学生ぐらいになれば、下書きの段階で失敗しても消しゴムで消したりしてリカバーできますが、小学生だとそれだけでげんなりする子も多いですよね。
紙なんて数円ですし、絵の具も100均で5箱買っても500円です。
「失敗していいからとりあえず描いてみよ!」と描くと子供も構えませんし、失敗してもどんどん捨てて新しく描けば大丈夫です。
大事なのは、まずはたくさん描くこと。画用紙と絵の具の感覚を存分に楽しむことです。
楽しむことで「絵って楽しい!表現することって楽しい!」という感覚が芽生えれば、賞を取る以上の豊かさが手に入ります。
また、1枚をじっくり描くタイプの子もいますし、何枚も何枚もさらっとたくさん描くタイプの子もいます。アイデアがたくさん出るタイプですね。
そんな時は「もっとじっくり描きなさい!」と怒るのではなく、たくさん描いたね!っと認めてあげて、全部提出したらよいと思います。それを叱る先生はいないと思いますよ。
ちなみに子供が学校から配布された画用紙をくるくるに丸めて持って帰ってきたら・・・・、捨てましょう。くるくるの画用紙をまっすぐにするのは至難の業です。そしてくるくるのしわのついた画用紙で描くのは子も親もテンションが下がります。
・・・・・あきらめましょう、買うのです。
3,褒めすぎ、声掛けすぎはNG!褒めすぎるとソレしかやらなくなる。
ともかく褒めたらやる気が出るから褒めまくる!はNGです。理由は2つあります。
1,集中しているときに話しかけると、集中が途切れてやる気がなくなる。
大人もそうですよね。横からすごいすごい!!いいねいいね!ねえお茶のむ?と言われ続けたらうるさいですとね。これは絵に限らないのですが、勉強やおもちゃで遊んでいるときは、集中して自分の世界に入ってることが多いので、そっとしておきましょう。
鼻を垂らしてようが、口開いてようがほっておきましょう。
2,褒められるとそればかりやる。
これはまた別にブログを描きたいと思っていますが、子供は過剰に褒められると、褒められることばかりしてしまう子供もいます。
「このお花畑綺麗ね!素敵だねー!すごいー!」と褒めると、ずーと花ばかり描いている子もいます。
褒めることでやる気が出るというのも、もちろんあるのですが、絵を描く動機が「褒めてもらうこと」になっては感性を伸ばすとは少し違った意味になりますね。
絵に限ったことではないのですが、ただ単に「すごい!すごい!」と褒めると物事のやる気の動機づけが「褒められるから」になりがちです。
褒め方にもいろいろありますが、褒めるのが苦手な人は、子供が絵を描いていた時の気持ちにフォーカスしてあげるという方法があります。
ちなみにもし子供が絵や作品を持って来て「見て!」褒めてほしそうな感じだったら
「お!絵を描いたんだね!たくさんいろんなものが描いてあるね。(褒めるというか、絵に描いてある事象を言う)。描いてるときどんな気持ちだった?」と聞きます。
たいてい「楽しかった!」
という返事が返ってきますので、
「その楽しくて夢中になった気持ち大事だよね!良い経験したね!」と声をかけてあげるのがおすすめです。
そうすると、褒められることが原動力でなくとも、どんなことに対しても集中して夢中になるのって楽しいんだ!という気持ちが芽生えますし、何事にも集中、夢中になる感覚は運動や勉強など様々に活用できます。
まとめ
小学生低学年の親が夏休みの美術の宿題でやってはいけない3選いかがだったでしょうか
1,評価は気にしない
2,絵の具、紙はケチらない
3,褒め方を変える
まだまだありますが、ここだけ少し意識しながら子供と宿題に取り組むと良いですね。ぜひ実践してみてください。